研修プログラムの目的と特色

医師法第 16 条の2第1項に規定する臨床研修に基づいて、すべての研修医が、全人的で科学的根拠に基づき日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアに必要な基本的な診療能力(態度、技能、知識)を身に付けることができる内容をもった研修を行うことがこの研修プログラムの目的である。
このプログラムでは近畿大学奈良病院を管理型の基幹病院として、大学病院と地域の協力型病院および臨床研修協力施設が病院群を形成して研修医を受け入れるため、プライマリ・ケアをはじめとした様々な基本的診療能力をより効率的に研修医が身に付けられるように企画されている。さらに基本的診療能力を研修する場として、オリエンテーション・基本科・必修科・選択科とも、近畿大学病院、近畿大学奈良病院はもちろん協力病院・協力施設も含めて全ての施設から研修医自身が希望して選択できるように配慮されているため、 将来の専門性との継続性を研修医自身が決定することができる。

研修体制(研修医の身分・所属・スーパーローテートの決定法)

研修医は研修期間中、病院⻑直轄の卒後臨床研修センターに所属し、将来の専門診療科の有無によらず各診療科には属さない。
スーパーローテートの決定は、基本的には研修医の選択権を尊重した統一プログラムでローテーションを実施する。終了時の評価で必修となる研修内容を達成するために、24か月の臨床研修期間を設定している。

1年目

  • 内科 20週(循環器内科、消化器内科、内分泌・代謝・糖尿病内科、血液内科、腎臓内科、リウマチ・膠原病内科、呼吸器・アレルギー内科、腫瘍内科、脳神経内科から選択)
  • 救急部門 12週
  • 外科・小児科・産婦人科・メンタルヘルス科を各4週ローテートする

2年目

  • 地域医療 4週(連携医療機関または保健所で研修)、内科(一般外来)4週

研修指導体制

  1. 研修医が研修する各診療科に研修指導責任者と指導医を置き、責任ある研修を行う。
  2. 指導医は、教育に対する情熱を有し、関係学会の専門医・認定医もしくはプライマリ・ケアについての十分な臨床経験と高い指導技能を持っている。
  3. 指導は研修プログラムに則り実施する。
  4. 研修指導責任者リスト

研修医の基本的任務

  1. 研修医は、指導医のもとに、担当医として上級医の指示する診療を行う。また、診療科以外の部門では指導責任者のもとで研修する。
  2. 研修医は、オリエンテーンョン・症例検討会・臨床病理カンファレンス(CPC)等の勉強会に出席しなければならない。
  3. 診療に当たっては、主治医が決定した診療計画に基づき医学的に正しい診療を行う。
  4. 研修医は、各研修施設の医療安全管理体制に従い、患者に対する責任を持って事故の発生を未然に防ぐとともに、事故発生時には速やかに所定の手続きを取らなければならない。
  5. 研修期間中の研修プログラムに乗っ取った勤務以外の勤務(アルバイト等)は禁止する。
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